デザインの価値をより良く伝える3つの指標
Masatoshi Kamimura
6,337views
デザインの価値をより良く伝えるために
デザイン(主にビジュアルデザイン)を提案する場合、お話しする相手は経営者やマーケター、ブランドマネージャーなど、デザイナーではないことがほとんどです。そのため、デザイナーが彼らにデザインの説明をする際に、「うまく伝わらない」「ニュアンスを汲みとってもらえない」といった声をよく耳にします。
ビジュアルデザインは視覚的な印象が強いため、「あまり好きじゃない」「面白くない」「新しくない」「伝わってない」「〜っぽさがない」などの、感覚的な一次情報による評価やフィードバックが多くなりがちです。感覚的な議論に終始するのではなく、なぜそのように感じたのかを言語化し、双方の共通認識をすり合わせる必要があります。
例えば「もっと赤い方が良い」というフィードバックがあった場合、なぜもっと赤くしたいと感じたのかという意図を確認します。デザインで何を達成したいのかで、そもそも赤が良いのか否かを考える必要がありますし、「もっと赤くする」にしても明るさ、濃さなど、選択肢は多岐にわたります。
さまざまな立場や価値観を持った人たちとともに、正しくデザインを評価するためには、達成したいことと、それを実現するために正しい表現が何であるのかを明確に言語化することが大切だと考えます。
言語化するにはお互いに理解できる共通言語を用いる必要があるので、デザインを説明する場合、私たちは以下の3つの内容に沿って話すことを心がけています。
要件や前提条件に沿って説明する
デザインをする前に議論・合意してきた与件(目的や戦略、要件、成果指標など)はすべて議事録を通じて明確にした上で、それらを達成するためのデザインとして妥当であることを説明します。
共通の評価軸となる情報に沿って説明する
市場動向や実績データ、調査データ、消費者ニーズなど、具体的なデータとして明示された事実情報を基により良いデザインの傾向や必然性を議論します。
デザインの原理原則に沿って説明する
美しさや心地よさ、印象などを議論する場合、個人の感覚や嗜好性による判断にならないように四原則や黄金比といったデザインのルールやセオリーを用いて伝えます。
プロジェクトに関わるすべての人にデザインをより良く判断してもらうために、私たちはたくさんのレイアウトや配色のバリエーションを作るよりも、その必要性や妥当性を誰もが端的に理解・判断してもらうための言語化に多くの時間を費やしています。
私たちは提案するデザインが戦略を具現化してビジネス課題を解決し得るソリューションとなるよう、これからもさまざまな人たちにデザインの価値をより良く伝える努力を続けていきます。
UNITBASEは様々なブランドや企業の事業戦略をデジタルで実現するためのチームです。
スピーディーに戦略を遂行するために、デザインだけでなくビジネス設計、ブランド戦略、マーケティング計画からプロジェクトマネジメント、効果測定に至るまでワンストップで提供しています。実施すべき戦略はあるが、実行する体制やパートナーがないと悩まれている方は、是非お気軽にお問い合わせください。